碧の宝石 ペリドット

碧の宝石 ペリドット

朝露のような煌きと吸い込まれそうな透明感、そして若葉のような発色の「ペリドット」。爽やかな輝きは、宝石に入った光が二重の光となって出ていく「複屈折」という特性が大きく影響しています。

8月の誕生石にふさわしい強い煌めきは、夏の太陽の眩しさを連想させます。一方で、夜の薄明りの中でも色を失うことなく輝きを放つことから「イブニング・エメラルド」の別名を持ちます。昼も夜も輝く「光」の宝石です。

 

特徴

ペリドットとは、鉱物学的にはカンラン石(英名:オリビン=olivine)の一種です。カンラン石はマグネシウムや鉄を含むケイ酸塩鉱物のグループに属し、マグネシウムの量が多いものを苦土カンラン石といいます。その中で、特に明るく美しい緑色を持つものを宝石名でペリドットと呼びます。カンラン石自体はありふれた鉱物ですが、宝石になるくらい上質なものは稀少とされています。大きなものは非常に珍しく、より価値があると考えられています。

 

石言葉

ペリドットの石言葉には、「夫婦の愛」「幸福」「和合」「希望」などがあります。

オリーブグリーンの輝きは、見ているだけで心が癒されます。

 

8月の誕生石&結婚2周年の宝石

太陽のように明るく輝き、華やかなイメージのペリドットは、8月の誕生石としても知られています。夏の快活なパワーを持つ8月生まれの人にぴったりですね。

また、ペリドットは結婚2周年の宝石とされ、記念日にペリドットのジュエリーを贈る夫婦も多いそうです。

 

地球外からも見つかった神秘的な宝石

ペリドットは地中深くのマントル付近や溶岩で発見されますが、隕石の中で発見されたこともある神秘的な宝石でもあります。2005年には、スターダストロボットが宇宙から持ち帰った彗星塵の中からもペリドットが発見されました。

宇宙から降ってくる隕石の中でも、非常に稀に発見される石鉄隕石は、パラサイトとメソシデライトに分けられます。
前者のパラサイトの中には、カンラン石が含まれ、稀に宝石質のものが採石されることがあります。

石鉄隕石自体が、隕石中に約1%あるかないかという非常に珍しい石のため、その中から発見されるペリドットは超のつく程の稀少石で、宇宙のロマンを感じさせるという付加価値もあります。
そのため、地球産と分ける意味で「パラサイティック ペリドット」または「パラスティック ペリドット」と呼ばれ、珍重されています。

 

主な産地

ペリドットの主要産地は中国、アフガニスタン等です。特に中国では、1970年代に高彩度の美しいペリドットが産出されて以来、世界市場に台頭していきました。中国産のペリドットはより繊細で自然な風合いが特徴で、世界的にも高く評価されています。

 

歴史

ペリドットは、とても歴史の古い宝石です。ペリドットを初めて採掘したのはエジプト人であるとされ、古代エジプトではペリドットは暗闇を照らす「太陽の石」と呼ばれ崇められていました。

更に、ペリドットはまるで太陽のように輝きが強い宝石であるため、身に着けている人の邪気を退けて災いを取り払ってくれると言われ、古代ヨーロッパでは兵士が敵から身を守るためにお守り代わりに身に着けていたそうです。

また、古代エジプトでは太陽神を崇拝していたことからも、ペリドットに太陽の名を冠して高い価値を見出していたことが分かります。古代エジプトの王侯貴族はその豪華絢爛な衣装と装飾品で知られていますが、中でもクレオパトラの宝石好きは有名です。特にエメラルドに目がなかったと言われていますが、そのクレオパトラの豪華なエメラルドコレクションの中に、ペリドットが混ざっていたのではと言われています。科学的な鑑定ができなかったため、その外見と輝きからエメラルドと混同されていました。ペリドットはなかなか大きな原石で産出されることがないため、王女のコレクションになるくらい大きなペリドットだったと思うとやはり稀少価値の高い石だということが分かります。

 

中世でのペリドット

中世ローマ時代には、ローマ帝国内でもペリドットの輝きが愛されました。貴族たちはこぞって身につけ、皇帝は神殿に奉納するように言いつけました。これには、古代からペリドットがその輝きから太陽と強い結びつきのある宝石と信じられており、強力な護符としての役割も持っていたことにも理由があります。また、ペリドットは聖書の黙示録にも「聖都エルサレムの城壁の土台を飾った12宝石の1つ」と記載されていたことから、ペリドットを神秘的な力を持つ宝石だと信じられていました。

中世においても、ペリドットとエメラルドは混同されていました。ドイツのケルン大聖堂にある三聖王の神殿を飾る200カラットのエメラルドは、実はペリドットだったということが後世になって正式な鑑定で判明しました。エメラルドではなかったけれども、ペリドットもとても素晴らしい輝きを持つ宝石であり、何よりも大きな原石が出にくいペリドットで、200カラットという巨大さは目をみはるものがあります。

 

夜会のエメラルド

ペリドットは、「夜会のエメラルド」や「イブニングエメラルド」という呼び名を持つ石です。
ペリドットの特性である複屈折率の高さから、夜の少ない光の中でも輝いて見えることが由来です。同じく複屈折を見せるルビー、サファイヤ、エメラルドと比較しても、群を抜いています。

 

ハワイアン・ダイヤモンド

ペリドットには、「ハワイアン・ダイヤモンド」という呼び名もあります。
これは、オアフ島にある岬(現ダイヤモンド ヘッド)の名称由来にも関係するもので、岬がダイヤモンドのように煌めいて見えたことから付けられた名称です。

その後、その煌きの原因はダイヤモンドではなく、ペリドットだということが分かりました。

もう一つ、ハワイ由来として有名なペリドットは、「女神ペレの涙」と呼ばれるものです。
ハワイに伝わる、ポリネシア神話の中に出てくる気性が激しい火の女神ペレ。キラウエア火山から噴出する火山弾の中から産出されるペリドットは、この女神の涙だとされています。

 

価値

ペリドット自体は、広い地域で比較的多く産出される石であるため、手頃に楽しめる宝石として、流通しています。透明度が高く、美しいオリーブグリーン色に煌めくものが最も価値があるとされていますが、ライムグリーン色のものも人気があります。

火山の噴火などで溶岩中に含まれることの多いペリドットは、地上で冷える過程でそのほとんどの結晶が細かく割れてしまうため、大きなものは高値で取り引きされます。

現在、カットされたペリドットの中で一番の大きさを誇るものは、トパズィオス島産で約310ct あり、アメリカのワシントン DCにある「スミソニアン博物館」に収蔵されています。

 

お手入れ方法

ペリドットは、比較的紫外線や水にも強い性質を持っています。

普段のお手入れとしては、柔らかい布で拭くだけで十分ですが、汚れが気になる時には、水での洗浄や、柔らかめの歯ブラシなどで軽くこすることも可能です。

ペリドットのジュエリーをお手入れする時には、ぬるま湯と中性洗剤を用意します。30度くらいのぬるま湯に中性洗剤をしっかり溶いて、その中にジュエリーを5分ほど浸します。その後、やわらかい絵筆ややわらかいブラシを使って優しく汚れをなでるように落とします。

中性洗剤を泡立てておくと泡で汚れを浮かすことができ、力をかけずにサラッと落とせます。最後に水洗いをしたら完了です。収納するときはしっかりと水分をやわらかい布で拭き取って、乾燥させてからしまいましょう。

 

ここまでいろいろな面からペリドットを見てきましたが、やはりなんと言ってもペリドットは8月の誕生石としての知名度が一番高いのではないでしょうか。魔除けとお守りの意味を第一に持つので、毎日身につけて過ごすのもおすすめです。お守りとしてプレゼントするのも素敵ですね。

現代では夜中まであらゆる光で明るいので、実際に暗闇を照らす様子は古代の人々ほどの感動を与えないかもしれません。でも、太陽の石やイブニングエメラルドの別名とその歴史を添えて贈れば、ロマンティックな効果がいっそう期待できますね。ペリドットは小さなものは比較的たくさん流通しており、安価なものが多いため手に入りやすい点もポイントです。

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