婚約指輪などのある程度の大きさのあるダイヤモンドを買った時に、鑑定書という証明書が付いてきます。この証明書はいろんな数字やダイヤモンドの絵が書いてあるのですが、この内容をしっかりと把握している人はあまり多くはありません。ダイヤモンドの鑑定書とは何か、ダイヤモンドの鑑定はどのように行われるのかを知っておきましょう。
鑑定書とは、ダイヤモンドのみに発行されるもので、ダイヤモンドの品質を評価したものです。鑑定書が発行されるのは、概ね0.1カラット以上のものです。鑑定書はダイヤモンドグレーティングレポートとも言います。もうひとつ、宝石鑑別書というものもありますが、これは宝石の種類を見分けるもので、品質評価はなく、全ての宝石が対象となります。天然のものか合成のものか、模造のものか、人の手が加わっているかなどの証明になります。ダイヤモンドにも鑑別書が付けられることがありますが、品質評価はされていないものになるので、違いを知っておきましょう。ごく稀にダイヤモンドの鑑定書に品質評価が記載されているものがありますが、鑑別書としては間違っていると言えます。
ダイヤモンドの鑑定書は、実は公的な鑑定機関でなくても発行できます。ですから、鑑定書が付いているダイヤモンドは全て信頼できるというわけではありません。信頼度の高い機関が発行した鑑定書が付いたダイヤモンドを選ぶことが大切です。信頼できる鑑定機関は、世界的にも有名なもので3つあります。これら以外の機関が発行した鑑定書は、都合の良いように鑑定されたものである可能性があり、信頼度があまり高くありませんので注意が必要です。
ダイヤモンドの鑑定は、カット(Cut)、カラー(Color)、クラリティ(Clarity)、カラット(Carat)の頭文字を取った4Cで行います。カットはダイヤモンドのカットがどれくらい美しくできているか、カラーはダイヤモンドの色味はどうか、クラリティはダイヤモンドの表面や内部の傷、透明感をチェックしたものです。そして、カラットはダイヤモンドの石の重さです。ダイヤモンドは、大きさではなく重さがあるものほど希少価値が高いとされています。1カラットのダイヤモンドで200mgが重さの目安です。主な鑑定項目は4Cですが、他にもダイヤモンドを紫外線に当てた時に蛍光を発しないかどうかを見ることも行われます。
鑑定書に書かれている項目の捉え方ですが、まず形状とカットについてはラウンドブリリアント、オーバル、マーキスなどがあり、それぞれのカットや形状の違いにより輝き方も違うので、好みのものを選ぶといいでしょう。カラットについては、カラット数が大きければ大きいほど重くなるため、サイズも大きくなると考えていいでしょう。カラーはアルファベットのDからZで評価され、DからFが無色、GからJがほぼ無色、KからMがごくわずかに黄みがある、NからRが非常に薄い黄色、SからZが薄い黄色という内容です。婚約指輪などにはD、Eクラスのものが人気なので、このあたりを目安にして選ぶと良いです。そしてクラリティですが、これは石の中の内包物や表面の傷で評価されます。FL(フローレス)、IF(インターナリーフローレス)、VVS1、VVS2、(ベリーベリースライトリーインクルーテッド)、VS1、VS2(ベリースライトリーインクルーテッド)、SI1、SI2(スライトリーインクルーテッド)、I1、I2、I3(インクルーテッド)という段階に分けられており、FLが一番透明度が高く、I1、I2、I3が一番低くなります。
ダイヤモンドの鑑定は、資格を持った宝石鑑定士でないとできません。素人ではとても無理なことです。信頼できるお店であれば、世界的に有名な鑑定機関で発行された鑑定書を付けています。鑑定機関の中でも米国の「米国宝石学会 : GIA(Gemological Institute Of America 米国宝石学会)」と日本の「中央宝石研究所:CGL(Central Gem Laboratory 中央宝石研究所)」は国際的に信頼性が高い機関です。日本の宝石業界でも最も信頼が篤く、業界基準となる鑑定機関であり、どちらのダイヤモンドグレーディングレポート(鑑定書)も信頼できるものです。当店では、こちらの鑑定機関のどちらかの鑑定書を付けております。もし手元に鑑定書を持っているのであれば、一度じっくり読んでみてください。自分が持っているダイヤモンドはどのような品質のものか分かるでしょう。