婚約指輪のデザインの種類

婚約指輪は大きく分けると4つのデザインがあります。一般的なデザインといわれているのが「ソリティア」と呼ばれるリングで、一粒のダイヤモンドがあしらわれた指輪です。一粒のダイヤモンドの周りに小さなダイヤモンド(メレダイヤモンド)があしらわれたデザインの指輪は「メレ付き」と呼ばれます。さらに一粒の大きなダイヤモンドと共に、メレダイヤモンドびっしりとあしらわれたデザインが「パヴェ」です。一粒の大きなダイヤモンドはないものの、メレダイヤモンドを並べた「エタニティ」というデザインもあります。

ダイヤモンドの大きさや量の関係で、デザインによりおおよその相場価格があります。ただし、ハイブランドの場合はもっと高額になります。ダイヤモンドの品質や大きさ、指輪に使われている素材の質によってはソリティアでも100万円を超える結婚指輪もあります。ですが一般的な相場では、ソリティアが35〜37万円、メレ付きが38万円前後、パヴェが35万円前後、エタニティが20万円前後です。

年代別、好まれやすいデザインと相場観

指輪は年代により好むデザインに違いがあります。婚約指輪を贈られる方の好みを優先したいと考える購入者は多いため、パートナーの年代により婚約指輪の購入金額には微妙な違いが出てきます。

パートナーが20代前半の方の場合、可愛らしいイメージの指輪を好む傾向が高くなります。そのため、パッと見た時に華やかなパヴェリングを選びたいと考える人が増えます。一方、20代後半になってくるとシンプルなデザインのリングを好む傾向が出てくるため、メレ付きを選びたいと考える人が増えていきます。

婚約指輪を購入する時の中心価格は20〜30万円となっていますが、20代はパートナーが好む指輪のデザインがやや高めのものになっているため、30〜40万円程度の婚約指輪を購入する方や、40万円以上の婚約指輪を購入している人も他の年代に比べると多くなっています。

パートナーが30代という方の場合は、華やかな印象を与えるソリティアやメレ付きのリングに人気が高まってきます。20代前半で人気となっていたパヴェに比べるとダイヤモンドの全体量が減るため、30万円前後くらいの婚約指輪を購入する人が増えてきます。20代や40代に比べると、30代は比較的婚約指輪に掛ける費用が低めにもなっています。30代は将来を見据え。婚約指輪だけに多額の資金をかけることはリスクがあると考える人も増えています。30代が他の世代よりも婚約指輪に掛ける費用が低めなのは、このような考えもあるからでしょう。

パートナーが40代という方の場合には、身につけやすいデザインや普段使いできるデザインのものを好む傾向が出てくるためか、小ぶりなダイヤモンドが並ぶエタニティリングが人気となってきます。ダイヤモンドの数が多いエタニティリングですが、ダイヤモンドの全体量は減るため他のデザインに比べると価格が抑えられてきます。

経済的には余裕が出てくると考えられる40代ですが、意外に20万円程度の婚約指輪を購入する方は多くいます。あわせて、40万円を超える婚約指輪を購入したという方の割合は、他の年代と比べ高くなります。40代で高収入という方は経済的にも安定しているため、婚約指輪に費用をかけても問題がないと考えているのでしょう。婚約指輪の購入価格に一番幅があるのがこの年代の特徴にもなっています。現在の40代は収入差も激しい年代でもあるので、購入価格に幅が出るのも自然なことといえます。

 

婚約指輪の購入目安額は「給料の3ヶ月分」?

ところで、婚約指輪の購入目安額といえば「給料の3ヶ月分」程度とよく言われます。ですが給料が高いはずの40代と経済力がまだ低い20代がどちらも婚約指輪の購入価格の中心となっている価格帯が20〜30万円となり、必ずしも給料3ヶ月分にはなっていません。

そもそも、婚約指輪を渡すことが一般的になったのは1960年代半ばから1970年代半ばでした。給料の3ヶ月分が目安とされていたのはこの頃です。当時の大卒者の初任給は約4万円です。つまり12万円が当時の婚約指輪の相場価格となります。当時の貨幣価値を今の貨幣価値に直してみると、43万円程となります。

2020年度の大卒者の初任給は約20万円程ですから、もし給料3ヶ月分となると60万円程度が目安となってしまいます。20代の方が60万円の婚約指輪を購入することはとてもではありませんが難しいでしょう。さらに30代や40代の人が給料3ヶ月分の婚約指輪を購入するというのは現実的ではありません。

給料の3ヶ月分というのは婚約指輪を渡すことが一般的となった時に、婚約指輪を販売するジュエリー店各会社がキャンペーンを展開し普及させた言葉だったそうです。男性の給料がいくらくらいだから、その3倍くらいの婚約指輪を選ばなければならない訳ではありません。かつて作られた言葉通り給料の3ヶ月分という言葉を意識する必要はありません。婚約指輪を選ぶ時には婚約指輪を贈られる人の好みを考え、経済的に無理がない範囲かを考えて選ぶとよいでしょう。