ダイヤモンドの原石は透明の石。
研磨職人が石をカットすることで、輝きの命が吹き込まれます。

 

 

婚約指輪や結婚指輪でよく見られる、丸型のラウンドブリリアントカットはダイヤモンドのカットの中で一番オーソドックスな形です。

とはいうものの、ダイヤモンドにはもう一つ素敵なカットがあります。
クラシックで、優しく、柔らかい雰囲気を持つ「ローズカット」です。

ローズカットとは?

ローズカットとは、裏側が平面で、表側は薔薇の蕾を想わせるドーム型の形をしたものを言います。
表側のドーム部分は、多数の三角形のファセットが組み合わされ、ダイヤモンドの屈折光が輝きます。

 

 

ローズカットダイヤモンドはブリリアントカットなどと比べて、ダイヤモンド流通量の1/10程度といわれる稀少さで、ダイヤモンドのイメージであるブリリアントカットよりも歴史は古く、アンティークジュエリーに利用されているダイヤモンドです。

16世紀のヨーロッパは、まだ電灯が発明されていない時代。暗闇の中キャンドルのささやかな灯りでも、きらめくように考えられたのがローズカット。
宮殿で開かれる夜会のキャンドルの灯りでも、優しくゆらめくローズカットは、貴族たちに好んでつけられていました。

時が経ち、17世紀。
夜会で誰よりも目立つために仕立てた煌びやかなドレスに映えるよう、ダイヤモンドにも輝きが求めれるようになりました。
ファセットの数は、12,16,24,36と増やす研究がなされ、後に開発されるブリリアントカットの幕開けへとつながります。

 

 

ブリリアントカットを「キラキラ」と表現するなら、ローズカットはまさに「うるうる」。
鮮やかに咲く花の上に、ぽたりと落ちた水滴のようなみずみずしさが特徴です。
ダイヤモンドという素材本来が持つ、自然な透明感を感じることが出来ます。

カット数が少ない分、一つの面が大きくてごまかしが効かないダイヤモンドと言われるほどです。
だからこそ、その分上質で、その佇まいは気品高く落ち着いた雰囲気を演出してくれます。

 

 

キラキラしすぎないカットは、普段の生活で結婚指輪と一緒に着けていても嫌味がなく、上品さの中に唯一無二のデザイン性を感じていただけることでしょう。

また、ダイヤモンド特有の冷たさよりも、暖かくて優しい輝きを放つのも大きな特徴の一つです